山で熊に出会ったら

山に棲んでいると

DSC_0030.JPG時折登山者や釣師に会うことがある。
見通しの良いところで、向こうとこちらがのんびり近付いていても、お互い心の準備は無理だから、こちらが先に気付いて回避すれば良し。風下にいて余裕があれば、見つけられる前にさっさと森に逃げ込んで、山好き釣り好きの邪魔をしなくて良い。
 しかし大抵は深山幽谷での突発的接近遭遇。
特にこちらが餌を食べながら移動するときなどは、藪森でも渓谷でも、道など構わず餌に夢中で移動しているから、そのようなときの出会いは大抵が藪や斜面から登山道に飛び出した瞬間とか、崖尾根から渓床に降り立ったときなど…
 登山者や釣師の皆様からすれば、ようやく浮き世を離れ、山の自然に身も心も浸り寛いでいるところに、いきなり全身黒光りした大きな獣が、鼻息荒く目を血走らせ目の前に出現するのだから、それは大層な驚きよう。

いっぽうこちらはこちらで

DSC_0042.jpg「こんにちは。いや驚かせて御免なさい。私は熊で今餌を探しながら移動しているところなのです。こっちも負けず劣らず驚いているので失礼します。」くらいの声は最低でも掛けて去りたいところなのだが、元々言葉は通じない上に、元来臆病なので安全な距離感を感じなければ襲い掛かりもするかもしれず、できれば目を合わせる事も無く、無言で目の前から逃げ去りたいのです。
 ということで皆さん。山で熊に出会ったら、例え無愛想でもお許しください。
本当は好奇心旺盛で遊び好きなのでございます。(ただし、個体差があります。)