那珂川水系 小蛇尾川溯行

昼下がりのお散歩溯行

今週はどこへ行きますか?

「そろそろフライがしたいんですけどどこかいい所ありませんか?」 そんな会話で決定した小蛇尾川。5月は毎週のように山菜採りに行っていたので、今週はぜひ釣りに行きたかった。夜中から出発するのは勘弁してもらって、のんびりと近場へ釣りにでかけた。やっと暖かくなって、木々の緑も鮮やかに輝き、呼吸をするたびに吸い込まれるような気持ちよさだった。遠方の源流遡行と違い昼頃出発してのんびり日帰りなんて、なかなか地元もいいなと感じる。天気も上々、雨も大丈夫そうだ。さっそく一食分の食料とカメラを持って出発!
近場の釣りを楽しむ場所では有名な所だけあり、すでに何人か釣りを楽しんでいる方々がいらっしゃったので、邪魔にならないように声をかけながら行く。

DSC_0151.jpg

所々崖崩れで歩きにくい所もあるが、溪も浅いので危険な場所はない。山を越える斜面も、普段から人見氏にあっちこっち引きずり回されているので脚力はバッチリ。しかし、私のほうが若いのに「なんでこの人はこんなに歩くの早いの?」と毎回思う。「ダムより上の溪まで昔は40分で着いた」と聞いた時は、開いた口がふさがらなかった。まだまだ鍛え方が足らないみたいだ。
あれこれ考えているうちにダムまで到着。上から見下ろす蛇尾川ダムを見て「人間てこんなもの作れるんだな」と考える。ダムがなかった頃はずっと溪が広がり水の色も違っていた。

DSC_0154.JPG

DSC_0158.JPG

DSC_0117.JPGダムを横目にまた歩いていると、ふとあるものを発見!「あれ、これアイコじゃないですか?」最近、山菜ばかり採っていたものだから草木が気になって仕方がない。歩きながらチラチラ見てしまうのだ。
「あー、でも触るの嫌だなぁ.....」「そうだ!」同行した深沢君は採った事ないはずだ!「むふふ」
「お〜い、これ採って食材にしようよ!」と私「了解!」と深沢君はい、次の瞬間「痛!イテテテ」
そうです。これ痛いんです。私も初めて採った時はびっくりした。人見氏が「刺あるから厚手の手袋にしなさいよ」というのを聞かず散々刺されたので、ちょっと悪戯。しかしこれを素手で採る人がいるというのは今でも信じられない。
 食材に一品追加され、またしばらく歩いた所でそろそろ目的地。


さて、そろそろ釣りますか

水は濁りもなく、いかにも渓流という岩に囲まれた所だ。遠くから見ていると、岩魚が泳いでいるのを確認出来る。さっそく準備をしてフライを流す。源流にフライが向いていないのは充分理解出来る。用意して投げて、たたむのに時間がかかりすぎるのだ。特に長時間の遡行で先を急ぐ場合に無駄な時間を浪費してしまい、迷惑をかける事になる。しかし、フライが好きな私はなんとかこれでやっていきたいので、素早く準備し、収納出来る超速フライキッドを考え中だ。誰か良いアイデアがあれば教えてほしい。。

DSC_0199.JPG

そうこうしているうちに

深沢君のフライにヒット!長年彼と一緒にやっているが、多分私の方がフライを巻くのはうまい。私もフライを巻くのは全然得意ではなく、むしろ下手だ!雑誌など見ているとあまりの奇麗さに驚く。しかし彼のフライはさらにひどい。ヒボナッチ整数から比率など割り出したら何ひとつあてはまらない、美しさとはかけはなれたフライだ。しかしこれが実によく釣れる。たぶん魚が驚いて口をあけてしまう所に、アシンメトリーの羽が絶妙な動きで吸い込まれるのだと確信している。

DSC_0178.JPG

DSC_0218.JPG

その後

人見氏の竿にもヒットし、この辺はさすがにベテランだなと感じる。やっと私が釣った小さい岩魚は「それは認めませんよ」と一蹴され、ちょっと落ち込む。
岩魚たちの元気な姿が見られたのでまあよしとする。今回は日帰りなので、私たちのタンパク質にならずにすんだ岩魚たちを「テン場はったら食べちゃうよ」と思いつつ、全部リリース。
そろそろ食事の準備にとりかかる。

DSC_0186.JPGDSC_0203.JPGDSC_0270.JPG

今回の食事はパスタ

さっそく持ってきたフライパンに食材を入れる。アイコも加わり、色彩豊かな具材ができた。パスタの湯きりはコッヘルをしまう網を使い、たっぷりのオリーブオイルで完成。実家から持参したトマトをかじりながら、乾杯!釣りもいいが、やはり半分はこれが楽しい!自然に囲まれて川の流れを聞きながら食事をすると、嫌な事などすぐ忘れてしまう。少し暖をとるのに燃やした焚き火に、よもやま話でもりあがる。

DSC_0243.JPG

DSC_0261.jpgDSC_0257.jpgDSC_0250.JPG

さて、そろそろ帰りますか

日帰りとはいえ充分に楽しむ事ができた。また時間があったら岩魚を見に来ようと話し合い、記念撮影をして帰路につく。
予想はしていたが、さすがに帰りは途中で真っ暗になり、ヘッデンをつけて帰り道を急ぐ。

車に着いて濡れた服から着替えると、また日常に戻る感じがして、少し寂しい。
身体の疲れが程よい心地よさだ。

DSC_0273.JPG

DSC_0274.jpg

DSC_0275.jpgDSC_0280.JPGDSC_0283.jpg