朝日連峰 湯井俣川溯行

乳白色に染まる大魔王の渓

憧れの湯井俣川へ

今回の遡行場所は、山形県朝日連峰前衛峰から八久和ダムに注ぎ込む!我が憧れの渓、湯井俣川である。
 何度となくお隣の渓、八久和川には足を運んでいたものの湯井俣川に入るのは、今回が初体験なのだ!
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それでは出発しますか

6月16日午後10時、私の自宅で小峰顧問・よしみさん・栄司(兄)と合流し仙台の森さん宅までクルマとばした。2時間後、今回のガイド役を引き受けてくださった森さんのクルマに乗り込み一路、朝日連峰を目指した。
 6月17日早朝、八久和ダムサイドの林道を走っていると、森さんが「アレー駄目ダッチャー通行止めか・・・」と叫んでいる。皆、慌ててクルマから降り錠マイのかかったクサリを眺めながら文句タラタラであった。小峰顧問が「仕方がないプラス1時間位だから歩くか」の一声で出発した。

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熱い思いが急冷却

テンバを設営し釣りへと出発!はやる気持ちを抑え川へと降りてみると冷たい雨が落ちてきた。「このくらいの雨なら大丈夫でしょう!今夜のオカズ釣りましょうネ!」などとハリキッテ川を横断していた。するとあまりの冷たさに足が「凍ててて」状態、一行、声を揃えて「嘘だろーマジかよ!ギェー冷てー!」ノッケからこれかよと思いながらも釣りへと向かった。100mも進まないうちに前方に雪渓の固まり(大魔王)を発見!おいおい先が思いやられる。しかし、大魔王を越えた所で絶好のポイントが現れ、すかさず栄司が「森さんオカズお願いします!」 と言うと森さんは、ニコニコしながら竿を出した。さすがに、天下一品の竿さばきである。オモリが底をはうように糸を引っ張って行く、するとコツコツとあたりが来た!森さん絶妙なタイミングで会わせをくれイワナを釣り上げた。
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宴会へ突入

「お疲れ様」でまずは、ビールで乾杯!よしみさんが妙に嬉しそうである。それもそのはず今シーズン初の遡行なのだ・・・!そのよしみさんが「夕飯の前に軽くつまんで」と自慢のカツサンドを作ってくれた。
これがまた、オキテ破りの美味さである!心の中で小峰さんはこんなに美味いもの毎日食べていれば巨大化するはずだと納得してしまつた。
まだまだ、山菜とキノコの炒め物や山菜サラダなど出て繰るでてくる「ウマイ、ウマイ」の連発であった。この後も、焚き火を囲みながら酒を酌み交わし釣り談議に花を咲かせ1日の疲れを癒したのでした。

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絶好の釣り日より

6月18日天気は、朝から快晴で絶好の釣り日和である!川に降り水量を確認、少々多めだが薄濁りが入り釣りの条件としては最高!オトリ沢出合い上から竿を出し始め小峰顧問・よしみさん次々とイワナをヒットさせご満悦である。我々も顧問に続けと竿を出した!皆、一様にイワナを釣り上げ満足げであった。
 本流を進みセンノ木沢を越えて行くと目の前にF1の滝が現れた、滝壺手前にいかにも釣れそうなポイントがありスカサズ私が、エサ竿でトライした。ポイントにエサを入れ、何度か流しているとコツコツとアタリがきた「ヨシャ!」と合わせをくれるとギューんと竿がしなった!「デ、デカイ」と思った瞬間スポーンと抜けてきた。流芯に乗っただけでした。ここまでは、私もなかなかいい感じでしたが次が悪い!針を上あごから外し、写真撮影を終了!「ホット」気をゆるした瞬間、岩魚くんが大暴れヌルヌルしたあげくうなぎの舞の様になり、リリースしてしまつた。その姿を見ていた一行、大爆笑である。
その後、うなぎ岩魚くんと言うあだ名を付けられてしまったのです。

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オトリ沢の大魔王達

ヒェー!!オトリ沢は、大魔王だらけダ!登ったりくぐったりおまけに口からは、カルピスまで吐きやがる。大変なヤツがはびこっている!いつ機嫌を損ねるかもしれない中、何とかなだめながら進んで行った
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悪夢の滝壺

目の前に落差のない滝が現れ栄司が上から、森さんが下からへつりで越えていった。私も森さんのルートを選び水の中をへつって登った瞬間、手のつかみ場を失い滝壺へドボ-ン!勢い良く落ちた。足が着くと思っていたが全然深い、何とか脱出しようと必死で浮き上がった。足場と手の掛かる所を探すが見つからない!次の瞬間猛烈な勢いで滝壺へと引き込まれた。さすがに水の中でヤバイ死ぬ・・・と思ったが森さんがロープを持っていた事をとっさに思い出した。もう一度、水面まで上がれば何とかなると思い全身の力を振り絞り水をかいた・・・!顔が水面から出た!しかし、目に水が入っていて何も見えない。マバタキをし、必死になってロープを探した。もがいていると目の前にロープが見えた!シッカリつかんで「タタ・・助かった!」もう一度、引き込まれたら終わっていたかも?
森さんに引っ張ってもらい何とか生還!水を吐き呼吸困難になっていたものの生きてて良かった。
 全員呆然・・・!言葉を失った・・・瞬間だった!
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昼食の一時

今回の釣りは終了し、オトリ沢のテンバ前で遅めの昼食をとる。私は、ここでズブ濡れの服を脱いで乾かした

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恐怖の高巻

本流はすでに増水している川通しは危険である!しかし、危険のない高巻も望めない落ちてしまえば流されるより危険であろう!どうする、一行スクラムを組み突破を試みるが水圧が凄くってバラケテしまう。こうなったら、高巻を選択するしかない森さんがルートを確かめる。何とか行けそうだ、よしみさんをお助けロープで確保!ヒヤヒヤしながら見守るがさすがに身が軽い無事クリヤー!次に、栄司・小峰顧問と続いた。最後に私の番だが先ほど、やらかしているだけに少しビビッテいた!と言うより本当は、小峰顧問が通過した後の草木の状態が気になっていた。心の中では、「絶対あの上の草木はヘタっているよな?」と思ったらゾッとした!(スミマセン顧問)なるべく未使用の草木を選んで無事に高巻を終え、充実した楽しい時間を振り返り、帰りの温泉へと向かった。
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